2026-01-14

第22回定期演奏会のメインビジュアルについて

当団の芸術監督である遠藤和紀さんから、メインビジュアルについての解説が届きましたので、ご紹介します。


 

 今回のメインビジュアルは、それぞれの楽曲がもつキャラクター――すなわち、曲の物語性、調性、長さなど――を、主観と客観の両面から、できるだけ素直に表現したものです。いわば、タイトルに用いられる書体(フォント)を拡張したものといえるでしょう。

 また、私たちが音楽に向き合う姿勢になぞらえ、無音で無地の白の上に、繊細に配置しています。この繊細さと柔らかさを生かすため、紙には「上質紙」を用い、黒の表現には90~95%のグレーを使用しました。

 制作手法としては、色鉛筆を2本ずつ選び、その2本を1本のように使って描いています。そうすることで、意図が直接的な表現になりすぎないよう、あえてフィルタリングを施しています。また、2色を隣り合わせて用いることは、印象派の技法である「筆触分割」のように、発色を豊かにする役割も担っています。

 メンデルスゾーンは、森の神秘性と恋の瑞々しさを、緑と水色で表現しました。作曲家がごく若い頃の作品であり、妖精と若者たちの恋の物語でもあることから、明るい黄色や水色を配色しています。

 チャイコフスキーの《テンペスト》は、物語の舞台となる「島」を、暗い海から見たイメージで描きました。冷たく暗い海と、暗示的な悲劇性を濃い青で表現しています。物語の中心となる「嵐」は、線の筆致によって表されています。

 そして交響曲第4番は、「岩」のイメージです。これは、私が初めてこの曲を聴いたときから抱いてきた印象で、「運命の動機」におけるホルンの鈍く重い響きが、その連想を強く喚起しました。それに抗い、葛藤する作曲家の想いを、複雑な線と赤色によって表現しています。

  今宵、このようなイメージを携えて演奏いたします。視覚と聴覚、両方でこのプログラムを楽しんでいただければ幸いです。

オーケストラ・ドゥ・センダイ 芸術監督 遠藤和紀

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